2007 Fiscal Year Annual Research Report
加法的コストを持つ生産スケジューリング問題に対する汎用最適解法の研究
Project/Area Number |
19760273
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 俊二 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (90324657)
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Keywords | システム工学 / 組み合わせ最適化 / 生産スケジューリング / 最適解法 / Lagrange緩和 |
Research Abstract |
平成19年度は,加法的コストを持つ生産スケジューリング問題に対する解法の研究として,遊休時間がない場合の1機械スケジューリング問題に対して提案している解法を,遊休時間の存在する問題へ拡張した.また,解法の基本的な枠組自体の改善もあわせて行った.遊休時間の存在する問題に対する拡張の際に問題となるのは,下界値の計算方法の拡張,上界値計算方法の拡張、およびスケジュール対象となる期間(計画期間)の計算方法である.まず,下界値計算方法の拡張については,遊休時間に対応するダミーの仕事(仮想仕事)を導入することで行った.また,Lagrange緩和問題におけるLagrange乗数の探索を行うために劣勾配法を適用しているが,その際の更新ステップ幅の調整方法の改善を行った.つぎに,上界値計算方法の拡張についてであるが,遊休時間のない問題の場合,下界値計算時に得られた解をもとの問題の制約を満たすよう変換し,さらに局所探索の一種である(enhanced)dynasearchを適用して上界値を計算していた.このdynasearchを遊休時間の存在する問題へ拡張する際,コスト関数の区分線形性に注目することで,仮想仕事導入による速度低下の抑制を図った.また,この改善により計画期間の長さにそれほど大きな影響を受けない解法となったため,計画期間の計算方法としては,単純な見積もりを行うものとした.これらの拡張に加え,解法の枠組に関する複数の改善を行った.そして,コンピュータを用いた数値実験により,提案解法が既存の最適解法よりも大幅に高速な解法であることを示した.これらの成果について,国際会議1件,国内会議2件の発表を行った.
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Research Products
(3 results)