2008 Fiscal Year Annual Research Report
加法的コストを持つ生産スケジューリング問題に対する汎用最適解法の研究
Project/Area Number |
19760273
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 俊二 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (90324657)
|
Keywords | システム工学 / 組み合わせ最適化 / 生産スケジューリング / 最適解法 / Lagrange緩和 |
Research Abstract |
平成20年度は 仕事に関する加法的なコストを持つ1機械スケジューリング問題に対する最適解法の研究として, すでに提案している解法を, 仕事の処理順序に先行制約が存在する問題を扱えるよう拡張した. また, 解法の枠組自体の改善も行った. まず, 先行制約をLagrange緩和して緩和問題を生成することにより, 先行制約が存在する問題に対しても計算量を増加させることなく動的計画法で下界値を計算できることを示した. また, 上界値の計算方法においては, 先行制約を満たすとは限らない緩和問題の解を, 先行制約を満たす実行可能解へ変換するヒューリスティクスを構成した. そして, 得られた解をさらに改善するために, 局所探索法の一種であるenhanced dynasearchを先行制約が存在する問題へ適用できるよう拡張した. これらの結果をもとに, 先行制約が存在する問題に対する基本的な解法を構成した. 続いて, 解法の効率化を行うために, Lagrange乗数の探索に単純な劣勾配法ではなく共役劣勾配法を用いる, 制約伝播の考え方に基づいて不要な動的計画法の状態を削除する, など解法の枠組自体の改善も行った. そして, コンピュータを用いた数値実験を行って, 先行制約が存在する1機械スケジューリング問題について, 従来の解法では最適解を得ることのできなかった規模の問題でも効率よく最適解を求められることを示した. これらの研究成果およびこれまでの研究成果について, 国際会議1件, 国内会議2件の発表を行った. また, 英文論文誌に論文の掲載が決定している.
|
Research Products
(4 results)