2007 Fiscal Year Annual Research Report
牡蠣殻を骨材として利用したポーラスコンクリートの植栽能力に関する研究
Project/Area Number |
19760307
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
堀口 至 Kure National College of Technology, 環境都市工学科, 助教 (90353317)
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Keywords | ポーラスコンクリート / 牡蠣殻 / 植栽能力 |
Research Abstract |
1.牡蠣殻骨材の基礎特性 牡蠣殻を粉砕して粒径が5〜20mmになるようにふるい分けを行い、牡蠣殻骨材を作製した。一般的に使用される砕石と比較して、牡蠣殻骨材の密度が低く吸水率が高いことから、牡蠣殻骨材が非常に多孔質であることが分かった。そのため牡蠣殻骨材自体の強度はかなり低く、骨材強度の指標である10%破砕荷重は砕石の1/10以下の値となった。また、牡蠣殻骨材は扁平な形をしているため、砕石よりも低い実績率となった。 2.牡蠣殻ポーラスコンクリートの植栽能力 牡蠣殻ポーラスコンクリート(牡蠣殻PoC)の植栽能力を検討するために植栽試験を行った。植栽試験は市販のプランターに直径100mmの穴を開けた発泡スチロールを入れ、その穴の中に供試体をはめ込んだ。試験には洋芝を用い、供試体上面に直接種子を蒔き、その上に10mm厚の覆土を設けた。試験結果より、供試体に牡蠣殻PoCを用いた場合、土と比較して同程度の草丈の成長を見せた。しかし牡蠣殻PoCの根長については、土の場合の1/2以下の長さしかなかった。これは本研究の水遣り間隔が短すぎたことが挙げられ、牡蠣殻骨材の高い吸水性を活かすためには、1日1回の水遣り間隔を週単位と長期化した植栽試験を行う必要がある。また、充填材や覆土を牡蠣殻PoCに使用することで植栽能力を向上させることが分かった。 3.牡蠣殻ポーラスコンクリートの基礎特性 牡蠣殻PoCの基礎特性として、圧縮強度、透水係数、空隙率について試験を行った。試験結果より、牡蠣殼PoCの粗骨材ペースト比(P/G)の増加、すなわち空隙率の低下に伴い圧縮強度は増大、透水係数は低下するが、同一空隙率の砕石ポーラスコンクリートと比較して両者とも低い値を示すことが分かった。圧縮強度の低下については骨材強度の違い、透水係数の低下については骨材形状による空隙構造の違いが影響を及ぼしたと考えられる。
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