2008 Fiscal Year Annual Research Report
分布ひび割れモデルと離散ひび割れモデルを併用したRC版のせん断耐力評価法の開発
Project/Area Number |
19760308
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
張 広鋒 Public Works Research Institute, 構造物メンテナンス研究センター橋梁構造研究グループ, 研究員 (20400062)
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Keywords | RC版 / 押し抜きせん断破壊 / 三次元有限要素 / 非線形数値解析 / 離散ひび割れモデル |
Research Abstract |
面外力を受ける鉄筋コンクリート(RC)面部材は,荷重作用点直下のコンクリートが円錐状に押し出される押し抜きせん断破壊によって終局に至る場合が多い。押し抜きせん断破壊は,一般に曲げ破壊と異なり,変形や予兆となるひび割れの発生もなく突発的な脆性破壊である。本研究は,押し抜きせん断破壊の破壊メカニズムの解明を含め,押し抜きせん断破壊型RC面部材の合理的な性能照査法の確立を目的としたものである。具体的には,分布ひび割れモデルと離散ひび割れモデルを併用する有限要素解析手法を用い,押し抜きせん断破壊面を一定の傾斜角度を有する円錐面に離散化することによって,RC版の押し抜きせん断破壊挙動や押し抜きせん断破壊耐力を大略再現可能な解析手法を提案することとした。 平成19年度では,提案する解析手法の有効性を検討した。検討の結果,提案の解析手法を用いることによりRC版の押し抜きせん断破壊挙動を大略再現可能であることが明らかとなった。平成20年度では,提案する解析手法の解析精度を向上させるために,解析モデルに設定する押し抜きせん断破壊面の傾斜角度が解析結果に与える影響を検討することとした。検討では,申請者が室蘭工業大学在職中に実験した4辺支持RC版を対象に,押し抜きせん断破壊面の傾斜角度を35°,40°および45°の3つの解析ケースとし,解析の実施並びに解析結果の検討を行った。検討の結果,押し抜きせん断破壊面の傾斜角度が大きい程,解析はより小さい変位で押し抜きせん断破壊によって終局に至り,最大荷重を低く評価する傾向がある。各解析ケースから得られた最大荷重値は,それぞれ,実験結果の109.7%(35°モデル),99.4%(40°モデル)および95.5%(45°モデル)である。 本研究を実施することにより,RC版の押し抜きせん断破壊挙動や押し抜きせん断破壊耐力を大略再現可能な解析手法の提案を行った。提案した解析手法は,室内実験レベルの試験体には勿論のこと,押し抜きせん断破壊型RC面部材を有する実構造物のせん断耐力評価にも適用可能であると考えられる。
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Research Products
(1 results)