2007 Fiscal Year Annual Research Report
障害者・高齢者のための総合都市内交通体系の確立のための実証的研究
Project/Area Number |
19760358
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松中 亮治 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 准教授 (70303849)
|
Keywords | DRT(需要応答型交通) / 福祉有償運送 / サービス提供形態 / 連携方策 / 地域・地区特性 |
Research Abstract |
本研究では,高密度の公交通需要の期待できない地方の地域・地区における障害者・高齢者のための総合都市内交通体系を構築するためシステムとして,DRT(需要応答型交通)システムならびに福祉有償運送を取り上げ,DRTのサービス提供形態ならびに福祉有償運送の他の交通機関との連携方策について検討することを目的としている. 本年度は,まず,既存のDRT導入事例について調査し,その導入実態を明らかにすると共に,公共交通の利用が可能な高齢者を対象としてヒアリング調査を実施し,高齢者の日常の交通行動の実態を把握すると共に,所要時間や費用のほか,DRTを利用する際に必要となる事前予約や移動に要する身体的負担(エネルギー消費量で表現)に対する抵抗など,高齢者の交通機関選択の際の選好について,ランキング型コンジョイント分析を用いて明らかにした. 次に,福祉有償運送と他の交通機関の連携に関しては,既存の調査結果から,連携する交通機関として,福祉有償運送の利用者である単独では公共交通での移動が困難な移動制約者が家族や施設の送迎以外で多く利用している福祉タクシーを取り上げることとした.そして,福祉有償運送の利用登録者を対象としてアンケート調査を実施し,福祉有償運送ならびに福祉タクシーの分担率や利用実態を明らかにすると共に,タクシー料金の割引など種々の条件下における両交通手段の利用意向を明らかにした. 今後は,本年度の調査によって得られた結果に基づいて,DRTのサービス提供形態ならびに福祉有償運送の他の交通機関との連携方策を検討するとともに,それぞれの地域・地区に適したサービス提供形態,連携パターンを客観的に判断するための評価フレームの確立を目指す.
|