2007 Fiscal Year Annual Research Report
人種隔離関連法による南アフリカ植民都市空間の実効的再編過程に関する研究
Project/Area Number |
19760442
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Research Institution | Shokei Junior College |
Principal Investigator |
佐藤 圭一 Shokei Junior College, その他, 講師 (60435378)
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Keywords | ピーターマリッツバーグ / 街区構成 / 人種隔離 / アパルトヘイト / 植民都市 / グリッド・パターン |
Research Abstract |
本年度は、主に南アフリカ内陸植民都市であるピーターマリッツバーグにおいて史資料収集および臨地予備調査を行った。調査施設は、State Archives、Surveyor General、Town Planning Office(GISSection)である。State Archivesで入手した1906年の調査地図("New Map of the City ofPietermaritzburg")と入植初期の1845年の敷地割図を基に街区変容の分析・考察を行った。ピーターマリッツバーグは、1838年に建設されたボーア人集落であり、当初は1区画erf (450ftΧ150ft)を基本単位として10区画で1つの街区を構成し、厳格なグリッド・パターンによって集落が形成された。1845年のイギリスによるナタール併合後、19世紀後半はグリッド・パターンの都市形態を維持したまま、居住や商業に転用するため、街区内部に細い街路が加えられ敷地が細分化されている。1906年の地図は、カラー印刷されており、全ての街区(約400)をデジタルカメラで撮影した。レンガ造建築、波形鉄板建築、空地、公園・植栽に色分け分類されており、鉄道、ドラム、川、橋、小橋、道路、郵便ポストの記号が表示されている。建物の詳細な外形まで描かれており、入植直後の農耕区画から街区内部が細分化され、半世紀間め急激な人口増加にともなって住宅が建て詰まっていることが読み取れる。1845年の時点で、現在のグリッド・パターンの都市形態はほぼ完成しており変化がない一方で、それぞれの街区内部は細分化され、半世紀間で激しく変容している。
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