2008 Fiscal Year Annual Research Report
ベルニーニを中心とした17世紀宮殿建築における立面分節と内部空間分節の整合性
Project/Area Number |
19760450
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Research Institution | Hokusei Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
遠藤 太郎 Hokusei Gakuen University Junior College, 短期大学部, 講師 (20347420)
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Keywords | ジョヴァンニ・ロレンツォ・ベルニーニ / バロック建築 / ルーヴル宮 / 宮殿建築 / アンフィラード / コントラポスト / オーダー / 大オーダー |
Research Abstract |
本研究の目的は、17世紀の宮殿建築におけるオーダーによる立面分節と内部空間分節の関係を明らかにすることであったが、手始めに内部空間の問題と立面の問題を個別に考察した。それらをまとめて発表するのは今後の作業となるが、現時点での成果は以下の通りである。 1. 内部空間の問題(アンフィラードについて) 内部空間の分節や統一を考察するに当り、当初予定していた断面方向の分節の検討の前に、平面における統一の問題の検討をアンフィラードを手掛かりとして行った。立面がオーダーによって統一されるように、平面がアンフィラードによって統一されているであろうとの予想が立てられたからである。ベルニーニが追求した建築の統一性を、平面においてはアンフィラードの処理を通して非常に良く読み取ることができることを他の建築家の例と比較しながら明らかにし、2008年4月の建築史学会大会、及び2009年3月の北星学園大学短期大学部紀要(次頁参照)にて発表した。 2. 立面の問題(コントラポストについて) 立面のオーダーは都市又は外部空間のスケールと建築内部の空間のスケールを連絡する役割を持つと考えられるが、ベルニーニは建築とその周辺環境との関係をコントラポストという概念をもってとらえようとしていた。ベルニーニの発言から、彼の考えるコントラポスト概念の背後には、周辺環境をも含み込んだ、作品の緩やかな規定が存在すること、及び、その起源が古代末期の美学思想に遡る可能性があることを考察した。この件の発表は2009年8月の建築学会大会にて行う。
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Research Products
(1 results)