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2008 Fiscal Year Annual Research Report

ヘレニズム建築の設計法と施工法に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19760453
Research InstitutionKokushikan University

Principal Investigator

吉武 隆一  Kokushikan University, イラク古代文化研究所, 共同研究員 (70407203)

Keywordsギリシア建築 / ヘレニズム / コリント式オーダー / 設計法 / 施工法
Research Abstract

平成19年度に引き続き、ギリシアの古代都市メッセネにおける(1)アスクレピオス神域のコリント式柱頭、および(2)古代劇場を例に、ヘレニズム建築の研究を行った。なお調査は、熊本大学ギリシア古代建築調査団(団長:伊藤重剛)と共同で行った。
(1) 本研究では、アスクレピオス神域のストアにコリント式オーダーを採用したことに注目し、コリント式柱頭の様式を詳しく分析した。従来のギリシア建築では、コリント式オーダーは、バッサエのアポロン神殿などに見られるように、内部柱として使われてきた。サモトラケのプロピロン(紀元前285-281)で最初に外部柱として使われたとされるが、他に例は多くない。メッセネのアスクレピオス神域では、紀元前215年ごろにコリント式オーダーを外部柱として用いたわけで、きわめて初期の例と言えよう。また、本研究によってテゲアやネメアのコリント式柱頭にある中心軸のアカンサスの葉の伝統が、メッセネの柱頭にも影響を与えた可能性があることが分かってきた。テゲアとネメアの柱頭は、サモトラケのプロピロンやロトンダのコリント式柱頭との類似性が指摘されており、メッセネの柱頭も広い意味でこのグループに属すると見てよいのかもしれない。いずれにせよ、ヘレニズムに台頭した王が、コリント式オーダーを好むようになったことが、このメッセネの例からも改めて裏付けられたと言えよう。
(2) 劇場は、アゴラの西に自然の傾斜を利用しながら作られており、ギリシア式劇場から2度の改修を経てローマ式劇場へと変遷し、現在はオルケストラ、スケーネ、パラドスの壁、および客席後部の擁壁がよく残っている。パラドスの壁が幾度も改築されており、ヘレニズムとローマのスカエナエ・フロンスが観察されるなど、至る所にギリシアからローマへの劇場の変遷を見ることができる。これまでの調査によって、スケーネの平面図、断面図、および59部材の図面を作成した。今後の調査で、劇場全体の実測を行い、スカエナエ・フロンスの復元考察を行う必要がある。さらに、ヘレニズムからローマへの変遷過程を詳しく明らかにし、当時のメッセネでの劇場の果たした建築的役割を明らかにしたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2009

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 地中海古代都市の研究(123)古代都市メッセネにおける劇場調査報告2008(1)概況2009

    • Author(s)
      谷皓司、伊藤重剛、林田義伸、吉武隆一、中之丸諭志、足立義幸、國竹真由美
    • Journal Title

      日本建築学会九州支部研究報告集 48

      Pages: 773-776

  • [Journal Article] 地中海古代都市の研究(124)古代都市メッセネにおける劇場調査報告2008(2)出土部材2009

    • Author(s)
      中之丸諭志、伊藤重剛、林田義伸、吉武隆一、谷皓司、足立義幸、國竹真由美
    • Journal Title

      日本建築学会九州支部研究報告集 48

      Pages: 777-780

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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