2008 Fiscal Year Annual Research Report
フラックスによる高清浄化金属ガラス合金の作製と機械的性質への影響
Project/Area Number |
19760457
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関 一郎 Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (40400402)
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Keywords | フラックス / 坩堝飽和 / 活量測定 / チタン / アモルファス / 金属ガラス / 分配平衡 |
Research Abstract |
金属ガラスのガラス形成能や機械的性質を低下させる原因として溶解酸素が大きく影響していることが考えられており,本研究では酸素親和力の強い酸化物系のフラックスを用いて溶融金属ガラス合金の精錬を行うと伴に現状法で問題となる金属ガラス合金鋳造時の汚染を排した金属ガラス合金の製造方法を開発することを目的にしております.これまでの研究では,チタニウム基の金属ガラス合金などの精錬を想定した強力な酸素親和力を有する酸化物からなるCaO-Al_2O_3-ZrO_2フラックスの脱酸能を評価するため,CaO, Al_2O_3およびZrO_2坩堝飽和組成におけるCaO活量をスラグ・メタル分配平衡法による熱力学的な実験で明らかにいたしました.熱力学的な計算により,本系フラックスの脱酸限界はZrO_2坩堝飽和組成が最も良好で溶解酸素濃度は10ppm台であることを明らかにいたしました.しかしながら,このフラックスを用いたチタニウム基の金属ガラス合金の精錬では,溶融合金とフラックスとの間で反応があったために実現するには至りませんでした.そこで,本研究ではフラックス組成を新たに検討することによりチタニウム基金属ガラス合金の汚染が起こらないフラックスを開発し,このフラックスを用いた場合にはCa脱酸によって合金中の溶解酸素濃度を低下させることが可能であることが明らかになりました.また,さらにこのフラックス組成を精査することにより金属ガラスの脆化に著しく影響を与える結晶相の制御が可能であることも明らかになりました.
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Research Products
(1 results)