2008 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト型アルミニウム複合酸化物を用いた高性能シンチレータ材料の開発
Project/Area Number |
19760474
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
原田 祥久 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 先進製造プロセス研究部門, 研究員 (70357820)
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Keywords | 結晶成長 / 構造・機能材料 / セラミックス / 光物性 / 放射線、X線、粒 |
Research Abstract |
ガンマ線を利用した医療用画像診断技術において、従来機種の性能を上回る新しい高性能シンチレータの開発が望まれている。そこで本研究では、高性能なシンチレーション機能が期待されるペロブスカイト型アルミニウム複合酸化物REAlO_3(RE : 希土類元素)を対象に、希土類元素(Ce, Nd, Pr)をアクティベートさせ、その最適な単結晶育成条件の探索、ナノ・ミクロレベルに至る観点からシンチレーション特性評価を通してその機能を明らかにすることを目的とした。平成20年度は単結晶化技術およびシンチレーション特性に関する基礎的知見を得ることを目標とした。単結晶化技術に関する研究では、1.0mol%Ce_YAlO3, 0.2〜5.0mol%Ce(PrあるいはNd)_GdAlO_3, 1.0mol%Ce_Gd_0.9Lu_0.1AlO_3をフローティングゾーン(FZ)法により作製した。成長速度5mm/h・回転数20rpmで単結晶化実験を行った結果、良質な試料が得られ<001>方位に成長していることを確認した。これらの試料のシンチレーション特性評価としてX線励起発光域を調べた結果、YAlO_3では約377nm, GdAlO_3系では約410nm、600nm付近に発光域が存在した。137Csによるガンマ線励起発光特性を調べた結果、GdAlO_3系においてCe濃度によって発光量が異なり、1.0mol%添加のとき最も発光量が多くなった。また、GdサイトにLuを添加した試料ではさらに発光量が増大した。しかしながら、これらの発光量はYAlO_3と比較して少なく、実用Gd_2SiO_5の約30-60%程度であった。また減衰時間を測定したところ、YAlO_3では約29ns, GdAlO_3系では約8〜34nsの高速成分が存在した。Lu添加試料においても同様に約16nsの高速成分が観察され、実用Gd_2SiO_5よりも速い高速成分が観察された。
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Research Products
(2 results)