2007 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツスペクトル測定技術を適用した結晶多形制御プロセスの構築
Project/Area Number |
19760524
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
土岐 規仁 Iwate University, 工学部, 准教授 (50333753)
|
Keywords | テラヘルツ / 化学工学 / 分子性固体 / 結晶工学 / 計測工学 |
Research Abstract |
本研究は、分子性結晶と溶液のテラヘルツ帯振動解析から、分子性結晶 ⇔ 分子集合体 ⇔ 溶液の挙動を解明し、その結果をもとに、医薬品製造におけるプロセス構築へ応用する事を目指したものである。生体内物質および医薬品には、分子構造が同一であっても、その積み重なりの違いで、物性が大きく変化する物質(結晶多形)があり、その生成は結晶成長時の環境に依存する。そして、その結晶特性は、結晶構造と最表面の表面積により大きく異なる。結晶核は小さな分子集合体であり、その形成にはテラヘルツ帯に相当する弱い結合が重要な役割をはたしていると考えられる。そこで、高速測定が可能であるテラヘルツスペクトル測定を結晶と溶液内(未飽和-飽和-過飽和環境下)でそれぞれ調べ、結晶核の形成挙動を検討した。その結果、過飽和環境において、分子集合体が形成することが示唆され、溶媒によりその形成挙動が異なっている事の、示唆された。さらに、分子軌道計算を行い、テラヘルツ領域の振動が結晶核の形成・大きさ・結合様式に、どの程度反映するかについて、簡単なモデル物質を用い検証し、結晶核と結晶多形の関係について明確に出来た。今後、これまでの手段では困難であったペプチドやタンパク質など柔分子構造の動きや、医薬品およびその結晶表面での吸着分子などの挙動を高速でとらえデータ収集をする。最終的に、溶液⇔分子集合体および分子集合体⇔結晶の形成挙動を実験および計算から解明する。
|
Research Products
(5 results)