• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2009 Fiscal Year Annual Research Report

糖尿病治療のためのパッチ型経口投与製剤の開発

Research Project

Project/Area Number 19760556
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

通阪 栄一  Oita University, 工学部, 助教 (40363543)

Keywordsインスリン / ドラッグデリバリー / 経口投与 / 粘膜付着性 / 吸収改善 / 糖尿病
Research Abstract

本課題では,腸粘膜付着性を有する製剤によるインスリンの粘膜内直接放出とその製剤中に封入する脂溶性インスリン集合体による腸管膜透過の促進といった機能により,安全で効率的にインスリンを体内へデリバリーする経口製剤の開発を目指した。最終年度は,調製したパッチ型製剤によるインスリン腸粘膜透過性の詳細な評価から,体内吸収に影響する因子を解明した。
本製剤は,薬物を封入しさらに粘膜に付着する粘膜付着層と薬物を透過しない薬物不透過層から形成されている。薬物不透過層の影響を検討するために,粘膜付着層だけで形成された製剤も調製し膜透過性を評価したところ,薬物不透過層がない場合は消化液中への薬物の漏洩が大きく,また薬物の膜透過性が大きく低下することが判明した。このことから,薬物不透過層はインスリンの漏洩を抑制し,さらにその効果でパッチから腸粘膜側へ一方向の放出を可能とするため粘膜透過性を促進させていると考えられた。
続いて,脂溶性インスリン集合体を形成している界面活性剤の種類と濃度の影響を検討した。界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを使用したところ,ポリグリセリン脂肪線エステルを用いた製剤において膜透過性の促進が確認された。また,アルキル鎖長の短い界面活性剤がより膜透過性に有利であることも判明した。さらに,界面活性剤は薬物をコーティングできる量があれば十分であり,過剰な添加は薬物の膜透過性を阻害することが分かった。一方でインスリンの活性を検討したところ,ポリグリセリン脂肪酸エステルで形成した集合体中のインスリンは活性が大きく低下していた。このことから,インスリンの膜透過性の促進と活性保持を同時に可能とする界面活性剤の選択が,経口用糖尿病治療薬として本製剤を適用するのに重要なポイントとなることが示唆された。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010 2009

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 薬物の吸収改善を目指した粘膜付着性製剤の開発2010

    • Author(s)
      通阪栄一・前田歩, 小野浩重, 平田誠, 神谷典穂, 後藤雅宏
    • Organizer
      化学工学会第75年会
    • Place of Presentation
      鹿児島大学
    • Year and Date
      2010-03-20
  • [Presentation] インスリンの吸収改善を目指した粘膜付着性製剤の開発2009

    • Author(s)
      通阪栄一, 渡辺貴久美, 小野浩重, 平田誠, 神谷典穂, 後藤雅宏
    • Organizer
      第25回日本DDS学会
    • Place of Presentation
      東京ドームホテル
    • Year and Date
      2009-07-03

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi