2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760565
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三谷 友彦 Kyoto University, 生存圏研究所, 助教 (60362422)
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Keywords | 宇宙航空工学 / マイクロ波送信管 / 宇宙利用 / マグネトロン / 熱設計 / 電磁粒子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、マグネトロンを衛星搭載送信機のマイクロ波送信管として新規開発することである。平成20年度の研究計画として、1. 民生用マグネトロンの発振周波数・出力の実測実験から求まる衛星搭載用マグネトロンとしての必要な排熱量の検討、2. 電磁粒子シミュレーションによるマグネトロンの発振周波数・マイクロ波出力の定量解析、を掲げた。 1. の研究成果は、実際に空冷環境下や真空環境下等の様々な環境下でマグネトロンの駆動試験を行い、排熱量の検討を行った。具体的には陽極を軸方向に分割したマグネトロンを用いた特性測定実験を実施し、マグネトロン内の電子運動を考察するとともに、マグネトロン内の排熱分布の考察を行った。またマグネトロンの発振周波数スペクトル測定も同時に行い、マグネトロンの発振周波数が温度と共に変化する結果が得られた。この周波数変化は衛星搭載送信機用として利用する上での重要な問題となるため、発振周波数の安定化に関しては次年度において重点的に検討予定である。2. の研究成果に関しては、3次元マグネトロンシミュレータが開発され、マグネトロンの発振周波数、マイクロ波出力の定量評価が可能となった。具体的には、マグネトロンの形状、入力電圧、磁場強度等を計算機空間内で設定することにより、発振周波数スペクトルやマイクロ波出力の時間経過を定量的に観察することができるようになった。 1. の研究成果の意義・重要性は、衛星搭載送信機用マグネトロンを真空環境下で駆動させるための基礎データが取得できた点にある。2. の研究成果の意義・重要性は、計算機実験による定量評価により1. で実施された実験結果の裏付けが可能になった点である。また、実際のマグネトロンを試作しなくとも計算機空間内で設計変更することによりマグネトロンの発振効率を定量評価できるようになった点は、マグネトロンの開発を行う上でも非常に重要である。
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Research Products
(3 results)