2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物による炭酸塩岩形成過程の解明と二酸化炭素地層処分技術への応用
Project/Area Number |
19760585
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平野 伸夫 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 助教 (80344688)
|
Keywords | 岩石・鉱物・鉱床学 / 地球化学 / 二酸化炭素排出削減 / 微生物 / トラバーチン |
Research Abstract |
奥奥八九郎温泉では約40℃の湧出水と同時気体の噴出が観察されるが,この気体を捕集しガスクロマトグラフ(日立G-3900)で定量したところほぼ100%のCO2を検出した.また,付近のシンターを約80cmの深さまで採取し,XRD〈理学Mini-Flex)により観察したところ,大部分でアラゴナイトが卓越したシンターであった.堆積は比較的固結した部分と未固結の部分からなる互層構造からなっているが,XRDによる観察結果とは明確な関係をみいだせなかった. 湧出孔近傍のシンター断面をXGT(堀場XGT-5000)によって観察した結果では全体的にCaを含むが,層状にFeの卓越した部分が観察され,析出もしくは堆積に何らかの時間的な変化が存在すること示唆している. これらの結果から,奥奥八九郎で観察される炭酸塩シンターでは従来のトラバーチンで観察されるようなカルサイトはあまり観察されずアラゴナイト主体であった.また,堆積構造として大きくは未固結層と固結層の互層構造を持ち,ミクロな部分ではCa層とFe卓越層の互層構造が観察された.これらの成因については,湧出水の温度や流速の影響によるものか,あるいは期待されるような微生物による影響によるものなのかは現在のところ明確ではないが,単純な析出・沈殿過程ではないことが示唆される.
|
Research Products
(1 results)