2007 Fiscal Year Annual Research Report
X線CT法による岩石内超臨界CO2移行プロセスの高精度分析
Project/Area Number |
19760587
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 晃 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40305008)
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Keywords | CO2地中貯留 / X線CT / 超臨界CO_2 / 可視化 |
Research Abstract |
これまで、岩石試料内の透水現象の可視化を目的として、研究代表者らはX線透過型加圧試験システムを開発してきた。本システムは試料寸法50mm、最高圧力20MPa、恒温30℃仕様であり、既に種々の透水試験に用いられてきた(Fukahori, D., et. al. (2006))。しかし、CO_2の臨界点は温度および圧力はそれぞれ31℃および7.4MPaであり、より安定的にCO_2の超臨界状態を保つためには温度40℃以上の条件下で10MPa以上の高圧状態を維持する必要がある。一方、本研究の最大の特徴であるX線CTスキャナーを利用した可視化には、様々な制限がある。特に、X線CTスキャナーは撮影断面内のX線吸収の分布を求める装置であるため、撮影断面内では試料以外には密度が大きくX線の吸収が大きな物質(金属など)を配置することができない。したがって、充分な強度を保証しながら上述の温度条件、圧力条件を安定的に確保できる新しい加圧試験システムの開発が必要不可欠である。 研究期間初年度においては、上述のようにX線CTスキャナー内で超臨界状態を安定的に維持しつつ、X線CT撮影が実施可能な岩石内超臨界CO_2挙動可視化システムの開発に主眼を於いて研究を実施した。具体的には、これまでのノウハウを生かして、アクリルあるいはカーボンファイバー樹脂など、比較的密度が小さく引張強度の高い材料を用いた圧力容器を設計製作した。ここでは、X線CTスキャナー内の限られた空間、制限の中で使用可能な温度コントロールシステムの開発も併せて実施した。さらに、CO_2挙動可視化のための画像鮮鋭化処理技術ならびに画像データからの高精度変化量抽出法の開発を行い、超臨界CO_2挙動の経時変化求め、X線CT画像データから水→超臨界CO_2の相対浸透率や残留ガス飽和度などの不飽和状態における種々のパラメータを評価するための基礎的なデータの蓄積を行った。
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