2008 Fiscal Year Annual Research Report
X線CT法による岩石内超臨界CO2移行プロセスの高精度分析
Project/Area Number |
19760587
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 晃 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40305008)
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Keywords | CO2地中貯留 / X線CT / 超臨界CO2 |
Research Abstract |
本研究では、地下帯水層の貯留層としての性能、あるいは貯留後の超長期に渡るCO_2地中貯留の安全性を評価の実施を目的として、超臨界状態における帯水層内での水→CO_2置換プロセス、貯留後の超臨界CO_2の拡散や流動のプロセスを、非破壊検査法の1つであり、かつ、高精度の分解能を有するX線CT法により評価分析した。具体的には、X線CT法を岩石への超臨界CO_2圧入室内実験に適用して圧入・溶解プロセスをX線CTスキャナーにより高精度に可視化し、微視的な視点からCO_2の岩石内挙動を分析した。まず本研究では, 岩石試料内部でのCO_2流動現象を産業用X線CTスキャナーにより可視化するために, X線が十分に透過でき, かつ, 8MPa以上の高封圧状態下で流動試験を実施可能なX線CT用超臨界CO_2流動試験システムを新たに開発した。本システムの特徴は, 超臨界CO_2流動特性を把握するための基本的な岩石の透水特性の評価も計測できることにある。 本試験システムを用いて実験に供されたベレア砂岩の固有浸透率の測定した結果, 堆積層に対して平行, 垂直方向で透水特性に大きな異方性があることを示した。さらに, 本システムを用いて岩石試料へのCO_2圧入試験を実施し, その様子をX線CTスキャナーにより可視化した。原画像からはCO_2の挙動を判別することはできなかったが, 画像間差分法ならびにデータのスタッキングにより, CO_2の圧入により空隙内の水がCO_2に置換の様子をとらえることができた。また, この結果より, 実際に岩石試料内部で水がCO_2に置換された割合, すなわち, 置換率Rvを評価した。その結果, 同じ岩石試料であっても堆積層に垂直にCO_2を圧入した場合には置換率は0.4程度の値を取り, 水平方向に圧入した場合よりも大きいことが分かった。すなわち, 固有浸透率の異方性と同様に, 置換率の異方性についても明らかにした
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