2007 Fiscal Year Annual Research Report
高閉じ込め輸送障壁プラズマのヘリウム灰蓄積・排出と核燃焼特性改善の研究
Project/Area Number |
19760605
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
武井 奈帆子 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 博士研究員 (00450304)
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Keywords | 輸送障壁プラズマ / 高自発電流 / 燃焼プラズマ制御 / 電流立ち上げ / 輸送・電流駆動シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、輸送障壁プラズマの高閉じ込め制御とヘリウム灰蓄積・排出との共存性を検証し、核燃焼状態を長時間維持し得る運転領域を明らかにすることである。今年度の本研究で得た成果は以下の通りである。 磁気シアに応じた輸送改善とこれによるプラズマ圧力と自発電流の構造形成を与える自己無撞着な輸送物理モデルを導入し、コードの改良・整備を行った。そして、JT-60Uの高自発電流プラズマの長時間維持実験の解析を行い、統合コード及び輸送物理モデルの妥当性を検証した。また、本格的な高出力密度核燃焼炉における「燃焼プラズマ制御」の観点から「定常・高自発電流トカマクの電流立ち上げ・燃焼構造制御」の研究を積極的に進め、ITERの長時間(〜100sec)電流立ち上げ特性を輸送・電流駆動シミュレーションによって調べ、誘導電流がプラズマ中心部に集中して位置不安定な状態になることを明らかにした。そこで、電子サイクロトロン電流駆動と中性粒子加熱による閉じ込め改善モードへの遷移を利用することで電流分布を平坦化し、高安定に電流を立上げ得るシナリオを示した。このように、輸送障壁プラズマの高閉じ込め制御とヘリウム灰蓄積・排出との共存性を検証するための、プラズマ分布構造の自己組織化を反映した輸送シミュレーションモデルの開発に資する重要な成果を得た。また、得られた研究成果を国際会議で発表した際、ITER開発において電流立ち上げの際の制御が最重要の課題になっていることもあって、本研究はこの分野に先鞭をつける研究として多くの注目を集め、今後のITER開発への貢献を要請された。
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Research Products
(1 results)