2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770019
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
近藤 倫生 Ryukoku University, 理工学部, 准教授 (30388160)
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Keywords | 食物網 / 適応 / 脳 |
Research Abstract |
本研究は、数理モデルと食物網データの解析を通じて、生物の適応的行動やそれを支える形態的特徴を第一原理として、食物網の構造に隠されたパターンやその個体群動態との関連性を説明することを目的としている。この目的達成のため、(課題1)食物連鎖長とその生産性への反応を適応的餌選択に基づいて説明すること、(課題2)さまざまな生物群集ネットワークにおいて見いだされるネスト構造の成立メカニズムを適応的餌選択に基づいて説明すること、(課題3)動物の脳サイズが食物網構造の成立において果たす役割を明らかにすることの3課題を具体的な目標として設定した。これら3つの課題のうち、課題1と3については、すでにすべてのモデリングおよびモデル解析が終了し、その生態学的意義について考察をおこなった。また、これらの研究結果は、学会等で発表するとともに、査読付き国際学術誌へ投稿しており、現在、掲載の可否の決定を待っている(Pro Roy Soc BおよびFunctional Ecology)。課題2については、解析に必要な食物綱データを収集してデータベースの構築をおこない、プレリミナリーな解析をおこなった。その結果、新しい知見を得られる感触を得ている。必要な解析方法が、解析の最終段階にすでにはいっており、2009年度中の投稿をめざして準備を進めている。また、この研究の遂行過程から派生した、カリブ海食物網の安定性評価と安定化機構の解明に関する理論研究の成果が、学会や査読付き学術雑誌において発表された。
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Research Products
(8 results)