2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770019
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
近藤 倫生 Ryukoku University, 理工学部, 准教授 (30388160)
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Keywords | 食物網 / 複雑ネットワーク / 適応 / ネスト構造 |
Research Abstract |
本研究は、数理モデルと食物網データの解析を通じて、生物の適応的行動やそれを支える形態的特徴を第一原理として、食物網の構造に隠されたパターンを説明することを目的としている。この目的達成のため、(課題1)食物連鎖長とその生産性への反応を適応的餌選択に基づいて説明すること、(課題2)さまざまな生物群集ネットワークにおいて見いだされるネスト構造の成立メカニズムを適応的餌選択に基づいて説明すること、(課題3)動物の脳サイズが食物網構造の成立において果たす役割を明らかにすることを具体的な目標として設定した。課題1については、食物連鎖長が生態系の生産性を増加させても長くならないメカニズムを生物の適応的餌選択によって理論的に説明し、査読付き国際誌「Proceedings of the Royal Society of London. Series B.」において、二宮氏との共著論文として掲載された。課題3については、脳サイズと動物の餌選択、捕食者-被食者相互作用との関わりをレビューし、さらに、魚における捕食者と被食者の脳サイズの間に成立している関係を世界に先駆けて解析した結果を、査読付き国際誌「Functional Ecology」において発表した。課題2については、予定通り、査読付き国際学術誌「Ecology」に投稿し、現在、改訂中である。また、東北大の河田氏らとともにおこなった、本研究に関わる共同研究の成果が、2010年度にはいってから査読付き国際学術誌「Population Ecology」に論文として発表された。この他にも、物質循環系において、生物群集の種構成が環境の変化に応じて「適応的」に変化する過程を考慮した数理モデルから、微生物群集における生物多様性が植物群集の種多様性におよぼす影響について研究し、現在、査読付き国際学術誌「PNAS」に投稿中である。
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Research Products
(14 results)