2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770048
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 敦 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (90422005)
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Keywords | クロマチン / ゲノム / 転写 / 生殖 / 卵巣 / 精巣 |
Research Abstract |
本年度は主にAmhr2、Scd2、POPの3つの遺伝子座に同定したDNase I HSすなわち機能ケノム領域について詳細な解析を行った。まずAmhr2遺伝子座に同定した2つの機能ゲノム領域について、より短い制限酵素断片を用いたDNase I HSマッピングを行った結果、それぞれを約1.5kb以内に同定することができた。この詳細な解析の過程で、イントロン中の機能ゲノム領域が昨年度同定した配列と少しだけ異なることがわかった。そこで改めてin vitroのレポーター解析を行ったところ、このイントロン中の機能ゲノム領域は卵巣以外の組織でAmhr2の発現を抑えていることがわかった。一方、遺伝子の上流に同定した機能ゲノム領域は卵巣特異的なエンハンサー活性を持つことがわかった。このことからAmhr2の発現はこれまだ考えられていたプロモーター領域だけだなく、それ以外の2つのゲノム領域によっても制御されていることが示唆された。Scd2についてはその上流に2つの機能ゲノム領域が同定され、こちらはin vivoでの転写調節活性を調べるためにGFPをレポーター遺伝子としたトテンスジェニックマウスの作製を行った。その結果、プロモーターのみをGFPについないだコンストラクトで13系統、その上流にさらに機能ゲノム領域の配列をつないだコンストラクトで6系統のマウスを得ることができた。POPについてはDNase I HSマツピング以外のアプローケで機能ゲノム領域の1つが同定された。それはCpGアイランドの探索で見つかったエクソン15付近の配列であり、in vitroのレポーター解析によるとPOPのエンハンサーとして働いていることがわかった。そして興味深いことにこの領域のDNAメチル化パターンがPOPの発現レベルと相関することがわかり、POPの発現調節にはこの機能ゲノム領域のDNAメチル化が関与する可能性が示された。
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Research Products
(5 results)