2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770125
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福岡 創 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (50447190)
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Keywords | 分子モーター / イメージング / バクテリア / 一分子計測 / イオン |
Research Abstract |
細菌べん毛モーターは細胞膜に埋まった巨大な膜上生物機械であるが,流動性に富んだ生体膜上でどのように構築されるのかは分かっていない.本研究はモーター構成素子を蛍光標識し直接観察することで,巨大タンパク質複合体が流動性に富んだ生体膜上で構築される過程を明らかにすることを目的とする. 平成19年度の研究成果としては以下が挙げられる. 1.部位特異的に蛍光を褪色させる蛍光顕微鏡システムの構築 2.FliG以外の回転子タンパク質のGFP融合タンパク質発現系の構築,およびそれらの拡散運動の検出 3.光褪色後蛍光回復(FRAP)による回転子構成タンパク質の交換反応 本年度の研究目標であった部位特異的蛍光褪色顕微鏡システムの構築はおおむね完了した.しかし既存のシステムでは褪色用レーザーのビーム系を十分に絞ることができなかったため,H20年度の研究では,顕微鏡システムを改良し,レーザーのビーム系を1μm程度にまで絞れるようにする.また全反射蛍光顕微鏡を用いたGFP融合タンパク質発現の光褪色後蛍光回復(FRAP)実験によって,機能的なモーターが完成した後でも,いくつかの回転子構成タンパク質が交換されることを示唆するデータを得た.これは本研究によって見つかった新たな現象である.この現象は当初の研究計画には含まれていない事項であるが,生体内における巨大分子複合体の構築および維持を理解する上で重要な知見となりうるため,継続して研究を行う.
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