2008 Fiscal Year Annual Research Report
BAFを用いた1細胞レベルでのストレス応答性転写制御可視化システムの構築
Project/Area Number |
19770141
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
星野 英人 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, セルエンジニアリング研究部門, 研究員 (20371073)
|
Keywords | 酸化ストレス / 細胞内局在制御 / 自己励起蛍光タンパク質・BAF / ルシフェラーゼ / 転写制御 / イメージング |
Research Abstract |
標準化発光スペクトルの比較から、高輝度で知られるヒカリコメツキムシ由来のルシフェラーゼへの遺伝子変異導入により作製された赤色発光変異体とBAF-Cの組合せが2色発光イメージングに適当と考えられた。そこでこれらを同時発現した細胞の溶解液を調製し、試験管内でのスペクトル解析を行った。得られた発光スペクトルは、BAF-Cが突出し、測定積算時間等測定条件を鑑みるとBAF-Cが赤色発光変異体よりも約300倍の発光輝度であると見積もられ、両者において著しい発行輝度のアンバランスが判明したため、本赤色発光変異体の導入を断念し、昨年度新規開発したBAFのRFPタイプであるBAF-Rの併用の可能性を試みた。BAF-Rを転写レポーターとしてBAF-Cを転写因子の細胞内局在レポーターとする組合せが次案として妥当であるが、それぞれのスペクトル成分の分離法と発光強度のバランスの問題については、尚課題が残った。酸化ストレス応答性に細胞内分布を介して機能制御される転写因子(Nrf2、Bach2)について、Nrf2においては細胞質局在ドメインNeh2と核局在化シグナル(NLS)をこの順に結合した人工ドメインをBAF-YのN末端に融合した融合タンパク質を作製し、Bach2に関してはBAF-YのN末にNLSをC末に酸化ストレス応答性細胞質局在シグナル(CLS)を導入した局在モデルタンパク質を構築した。一方、eBAF-Yの発現ユニットをインスレーターとloxP配列でこの順に入れ籠上に挟んだDNA断片を培養細胞に導入し、細胞を薬剤選択することによりeBAF-Yを高発現する細胞株を複数株得た。因みにこれらの安定発現細胞株では1分程度の露光条件で高倍率の細胞イメージングが可能である。この細胞はCre-loxPシステムで任意の転写レポーター遺伝子・薬剤耐性カセットと置換可能であり、別途転写レポーターとして選択したストレス応答性発光タンパク質遺伝子カセットを導入するベースを構築した。小計画毎に同時並行して研究開発を進めてきたが、本研究課題を通して解決すべき問題が明確化した。
|
Research Products
(4 results)