2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高効率手法による植物の有用形質制御因子の探索と機能解析
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19780002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 芳弘 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (20390891)
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Keywords | 過剰発現 / 発現抑制 / 有用形質 / 環境ストレス / 耐病性 |
Research Abstract |
本研究は、ウイルスの特性を生かして、迅速かつ効率的な有用形質制御因子の探索と未知遺伝子の機能解析を行うことである。具体的には、植物遺伝子cDNAライブラリーを作製し、このcDNAライブラリーを保持したウイルスを幼植物体に感染させる。感染したウイルスは一週間前後で植物体全体に広がると同時に、挿入遺伝子の向きにより遺伝子の過剰発現/内生遺伝子の発現抑制を引き起こす。その際、形態形成等に関与している重要な因子、様々な環境ストレス耐性因子を網羅的に単離・解析する。本スクリーニングにより、過剰発現又は発現抑制させた際に、致死、矮性、葉色の変化、葉の形態形成等に関与する因子ばかりでなく、病原体感染時の抵抗性反応に関与する複数の因子も単離した。 過剰発現させた際に細胞死を引き起こす因子として単離したNbLCB2の遺伝子発現解析を行った結果、病原体抵抗性反応時の強い発現誘導が観察された。さらに、内生遺伝子発現抑制法等を用いた解析から、NbLCB2は病原体抵抗性反応に重要な役割を果てしているばかりでなく、葉の形態形成、特に葉脈の形成にも重要であることを証明した。その他、現在単離した様々な因子は、それぞれ組織別発現、環境ストレスによる応答性を確認すると共に、シロイヌナズナ相同遺伝子の破壊株を用いた表現形の観察や、プロモーター::GUS植物を作製しての詳細な発現部位の同定、環境ストレス耐性能等を検討している。
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