2008 Fiscal Year Annual Research Report
寄生植物ストライガのイネ寄生過程において機能する遺伝子の探索
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19780040
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 聡子 The Institute of Physical and Chemical Research, 植物免疫研究チーム, 研究員 (20450421)
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Keywords | 寄生植物 / ストライガ / ESTデータベース / cDNAライブラリー / 宿主特異性 / ストリゴラクトン |
Research Abstract |
ハマウツボ科の絶対根寄生植物であるストライガ(Striga spp.)は穀物や野菜の根に寄生し、アフリカやアジアなどの半乾燥地域で毎年甚大な農業被害をもたらしている。しかし、寄生植物の寄生機構に関しては未知な点が多く、根本的な解決策は見つかっていない。本研究は、寄生植物ストライガがイネに寄生する過程を詳細に観察し、その過程において発現するストライガ遺伝子の解析をおこなうものである。本年度の実績を以下にあげる。 A) ストライガと宿主・非宿主植物の相互作用の過程を詳細に観察した。その結果、ストライガの非宿主植物認識には少なくとも4段階の過程があるであろうと推察された。これらの結果をふまえて、ストライガの寄生過程における遺伝子発現解析をおこなっている。 B) ストライガcDNAライブラリーを構築し、シーケンス解析をおこなった。ストライガcDNAライブラリーから得た約40,000cDNAクローンの両端から塩基配列を決定し、クラスタリング解析の結果、重複のない約17,000の配列を得た。これらのストライガEST塩基配列はblastプログラムを用いてアノテーションをおこない、データベース化を進めている。また、これらの配列について、Gene OntologyやSNP解析をおこなった。これらの結果はストライガの遺伝子解析のための有用な情報ツールになると考えている。 C) Agrobacterium rhizogenesを用いて、ストライガ簡易形質転換法に成功し、その形質転換根が宿主植物に寄生することを示した。ただし、形質転換効率が低く、課題が残る。
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