2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 啓仁 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (80282698)
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Keywords | 鉄 / ムギネ酸類 / 遺伝子発現 / 転写因子 / シスエレメント |
Research Abstract |
イネ科植物の鉄欠乏応答性のシスエレメントIDE1、IDE2に結合する転写因子の検索を行った。酵母を用いたone-hybridスクリーニングによりIDE2に結合する転写因子の検索を行った。鉄欠乏処理をしたイネの根から作成したcDNAライブラリーを用いた。スクリーニングにより新規な転写因子IDEF2を単離した。またその相同遺伝子をオオムギからも単離した。IDEF2はNAC転写因子ファミリーに属し、これまでは明らかにされていないグループに存在する。ゲルシフト電気泳動解析およびcyclic amplification and selection of targets実験によってIDEF2はIDE2に存在するCA(A/C)G(T/C)(T/C/A)(T/C/A)を結合認識配列とすることが分かった。IDEF2遺伝子の発現はイネの根と地上部では恒常的であった。RNAiおよびCRES-TによりIDEF2の機能を欠損させた組換えイネでは, 鉄の恒常性に異常が起こった。通常のイネで鉄欠乏で発現の誘導される二価鉄ニコチアナミンのトランスポーターであるOsYSL2がIDEF2機能欠損イネでは発現誘導されなくなった。また、このIDEF2機能欠損イネでの発現が抑制された遺伝子のプロモーター領域の多くでIDE2様配列が見出された。これまでの結果ともあわせてIDEF1、IDEF2、OsIRO2が鉄欠乏応答に関与する多段階の遺伝子制御ネットワークの初期段階を担うによって鉄欠乏応答性と耐性を制御することが明らかになった。
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