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2007 Fiscal Year Annual Research Report

ササとシダは窒素の流亡を防止するか?〜森林生態系の窒素循環における役割の解明〜

Research Project

Project/Area Number 19780116
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

小山 里奈  Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (50378832)

Keywords森林生態系の窒素循環 / 植物 / 硝酸態窒素
Research Abstract

日本の森林の下層に優占することが多いササ類・シダ類は、森林の更新動態に影響を与える点が良く知られている。しかし、その生理生態学的特性、特に窒素利用に関する点についてはほとんど調べられていないため、ササ類・シダ類が森林生態系の窒素循環に及ぼす影響については未解明の点が多い。本研究では、ササ類・シダ類について、現在までほとんど顧みられてこなかった「養分利用を通して生態系の物質循環に影響を及ぼす」という側面に着目し、生態系内での窒素の循環においてササ類・シダ類が果たす役割を評価するために、これらの窒素利用に関する生理特性を調査した。
調査対象は、ヒノキ林下層で優占するミヤコザサ・ウラジロ・コシダの3種である。窒素利用に関する生理特性として硝酸態窒素を利用する能力に着目し、その指標として硝酸還元酵素活性(Nitrate Reductase Activity: NRA)を用いた。生育期間中に約3ヶ月おきに対象とした3種を採取し、葉・稈または葉柄・地下茎・根のNRAおよび総窒素濃度をそれぞれ測定した。
その結果、いずれの種においてもNRAが検出されたことから、対象とした3種は硝酸態窒素を利用する能力を持つこと、特にミヤコザサ・ウラジロは有効な窒素源として硝酸態窒素を利用していることが明らかになった。加えて、ミヤコザサは植物体中に硝酸態窒素をそのまま蓄積する性質を持つことが示された。また、三種が硝酸態窒素利用に関して季節的に棲み分け、硝酸態窒素の系からの流亡を防ぐ役割を持つ可能性が示された。

  • Research Products

    (1 results)

All 2008

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Seasonal changes in nitrate use of Salix interior and Populus balsamifera on an early successional floodplain in interior Alaska2008

    • Author(s)
      Lina Koyama, Karl Olson, Knut Kielland
    • Organizer
      日本生態学会第55回大会(ESJ55)
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場
    • Year and Date
      2008-03-17

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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