2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780155
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
森田 健太郎 Fisheries Research Agency, 北海道区水産研究所・亜寒帯漁業資源部, 研究員 (30373468)
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Keywords | 水産資源学 / 水産資源管理 / 数理モデル / 鯨 / 目視 |
Research Abstract |
河川生活期におけるサケ科魚類の個体群過程を調べるため,昨年8月から継続している釧路近郊を流れる庶路川での定点調査(6定点)を11月まで毎月継続して行い,のべ16ヶ月分の個体数密度および体長組成データを収集した.天塩川支流サンル川,北海道南部の大尽内川・二越川,佐渡島の大野川においても,繁殖期に同様の調査を行った.昨年の結果と同様に,河川間の成長差は,生息密度と水温によって大部分が説明された.一方,同じ河川内であっても,生息密度の季節的変化は魚種ごとに大きく異なり,幼魚期においても河川内の季節移動が大きいことが判明し,限られた定点調査では固体群過程を追跡することは困難であることが分かった. また,昨年度に釧路市・音別川の5地点で実施したアメマス当歳魚の移植実験について,放流14ヶ月後の9-10月に追跡調査を行い,14.3%にあたる215尾を回収することができた.生存率指数は地点間で10倍近い差が見られたが,生存に及ぼす物理的要因は特定できなかった.一方,5地点間で成熟開始体長に明瞭な差が見られ,河川の物理的環境との相関が認められた. 昨年度の分析で明らかとなった海洋生活期のサケ科魚類の成長と水温の関係について,スペイン・ヒホン市で開催された地球温暖化に関するシンポジウムにおいて口頭発表した.また,2008年7月に実施されたさけ・ます資源調査の北洋航海に乗船し,ベーリング海でのデータ収集にも従事した.
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