2007 Fiscal Year Annual Research Report
天然由来の微量抗酸化活性脂質(フラン脂肪酸)の薬理作用の解明
Project/Area Number |
19780162
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
脇本 敏幸 University of Shizuoka, 薬学部, 助教 (70363900)
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Keywords | フラン脂肪酸 / ミドリイガイ / 抗炎症活性 |
Research Abstract |
サメ胆汁由来のフラン脂肪酸代謝産物からフラン脂肪酸の合成を行った。フラン脂肪酸は天然より大量に精製することが難しいため,合成原料となるフラン環を有するジカルボン酸を胆汁より精製し,フラン脂肪酸の合成を試みた。ジカルボン酸は一方のみがα,β-不飽和カルボン酸であるため,一方の側鎖のみオスミウム酸化,続く過ヨウ素酸による酸化によってアルデヒドへ導いた。続いてWittig反応を用いてアルキル側鎖を導入した。一方の側鎖はメチルエステルをDIBAL還元でアルデヒドへ導き,同様にWittig反応にようてカルボン酸側鎖を導入した。 ミドリイガイ中のフラン脂肪酸の定量分析を行った。非天然型の側鎖長を有する合成フラン脂肪酸を内部標準物質に用いて定量分析を行った。ミドリイガイの超臨界二酸化炭素抽出物をナトリウムメトキシドでメタノリシス後,遊離脂肪酸をさらにジアゾメタンで確実にメチル化し,シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで脂肪酸メチルエステルを精製した。得られた脂肪酸メチルエステル画分をさらに接触還元し,不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸へ導いた。得られた還元体は再度シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって分離することによって,フラン脂肪酸画分を得ることが出来る。GC-MSを用いた定量分析の結果,ミドリイガイ由来のオイルLyprinol中にペンチル側鎖を有するF6が2.7mg/g,プロピル側鎖を有するF4が2.3mg/g含有されている事が分かった。 合成による供方法の確立,および天然の有量を評価できたことから,現在,動物を用いた炎症モデルによって抗炎症活性を評価する系の立ち上げており,次年度において薬理作用を明らかにしていく。
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