2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Migration in Modern Japan
Project/Area Number |
19780169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Agro-economics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
ITO Atsushi Kyoto University, 大学院・農学研究科, 助教 (00402826)
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Project Period (FY) |
2007 – 2010
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Keywords | 農業史 / 戦後開拓 / 戦後移民 |
Research Abstract |
本研究では、近現代日本における人口移動を考察する際に、戦前・戦時と戦後との連関に注目しつつ、「農林省ライン」から接近をはかってゆく。 とりわけ戦後海外移住政策の再開(1952年)にともなう農林省・農政学者・農民団体の移住政策への積極的な呼応に注目したい。戦前・戦時期に「満洲」移民に密接にかかわっていた農林官僚・農政学者はもとより、戦後開拓入植者の団体までもが海外移住を推進してゆく。戦後の移住政策に関しては主に所管官庁である外務省の資料に即して研究が進められており、「農林省ライン」が省みられることはほとんどなかった。しかし、こうした「農林省ライン」が存在したこと、および彼らが「外務省ライン」以上に移住政策に積極的な呼応を示した事実を考える上で、戦前・戦時期との関係は決定的に重要であると考えられる。 なお、戦後移民に関しては研究者間で基本的な事実すら共有がなされていない(たとえば、Befuや坂口は移住政策の終焉を1973年としているが、これは明白な誤りである(JICAが移住者送出に関わる事業費計上を中止するのは1994年度)。本研究によって移住政策の推移を明らかにすることは、それ自体ひとつの意義を備えることとなるだろう。
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Research Products
(5 results)