2009 Fiscal Year Annual Research Report
粒子特性に基づく下負荷面モデルの材料パラメータ決定法の構築
Project/Area Number |
19780180
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
瀬戸内 秀規 University of the Ryukyus, 農学部, 准教授 (90305186)
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Keywords | 土木材料 / 地盤工学 / 粒状体 / 粒子特性 / 強度 |
Research Abstract |
主成分の異なる粒径幅の狭いそれぞれ3種シリカ砂および石灰質砂の砂材料を用いて一次元圧縮試験および一面せん断試験を行い,下負荷面モデルで用いられる材料パラメータと粒子特性の関係について以下のような有用な知見を得た. 正規圧密曲線の勾配(等方圧密曲線の勾配ρに対応):同じ間隙比における正規圧密曲線の勾配は,粒子形状が粗くなるほど大となり,破砕性を有する石灰岩の砕屑物を除いてシリカ砂の方が石灰質砂に比して相対的に大きい. 膨潤線の勾配γ:初期間隙比,粒子形状さらにシリカ砂,石灰質砂に関係なくいずれも0.005程度の値である. ポアソン比ν:同じ間隙比におけるポアソン比は,粒子形状が粗くなるほど小となり,またシリカ砂の方が石灰質砂に比して相対的に大きい. 限界状態における内部摩擦角φc:粒子形状が粗くなるほど大となる.またシリカ砂の方が石灰質砂に比して相対的に小さい. 以上の実験的研究から,粒子特性のひとつである粒子形状の影響が著しいものの,主成分の異なるシリカ砂と石灰質砂の比較から,それぞれの物性値には粒子形状以外の粒子特性が少なからず影響していることが分かる.さらに,粒状材料の種々の物性値は同じ材料でも初期間隙比の大きさに依存する.このことから,粒子の硬度,反発性,粒子径,粒子間摩擦係数(物理摩擦係数),粒子形状などの粒子特性を定量的に評価反映できる個別要素法用い粒径2mmの単一粒径粒状材料について漏斗法による最小密度試験を実施し粒子形状以外の粒子特性の影響を調べた.その結果,間隙比に与える影響は粒子形状が支配的であるものの粒子間摩擦係数も無視できない影響を与えることが分かった.本研究では,粒子形状以外の粒子特性の影響を調べる研究手法を確立した.今後,正規圧密曲線および膨潤線の勾配,ポアソン比および内部摩擦角などの物性値に砂の主成分の違いによる粒子形状以外の粒子特性の影響を適切に評価していく.
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