2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳中コルチゾル濃度を用いたストレス刺激時のウシの行動特性の推定
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19780206
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
深澤 充 National Agricultural Research Organization, 畜産草地研究所放牧管理研究チーム, 研究員 (70391373)
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Keywords | 乳牛 / アニマルウェルフェア / ヒトーウシ関係 / 乳中コルチゾル濃度 / 行動特性 / ストレス感受性 |
Research Abstract |
本年度は、乳中コルチゾル濃度の指標としての特性を明らかにするため、測定月,産次,泌乳ステージが乳中コルチゾル濃度の変動に与える影響と乳中コルチゾル濃度と乳量および乳質との関係について検討した。畜産草地研究所で飼養されている乳牛群約50頭から牛群検定時に牛乳サンプルの採材を行った。乳房炎などの疾病がある記録を除き,期間中に2回以上の測定記録を持つ個体を分析対象とし,24頭(のべ66件)のデータを分析に供した。測定月,泌乳ステージ,産次を母数効果とし,個体を変量効果とする混合モデルの分散分析によって、それぞれの母数効果の影響を検討した。また個体ごとの不偏予測値を推定し,泌乳形質との相関を求めた。乳中コルチゾル濃度は季節や産次について有意な影響は認められなかったが,泌乳ステージにより有意に異なった。泌乳初期には他の時期に比べて有意に高い値を示した。また,乳蛋白率との間には,生データおよび推定した個体の不偏予測値との間に有意な負の表型相関が認められた(-0.33および-0.42)。一方乳量や体細胞数との間に相関は認められなかった。このことから、ストレス反応性の指標に乳中コルチゾルを用いる際には、乳期の影響および個体の乳蛋白賛成能に配慮する必要があると考えられた。今後乳中コルチゾル濃度とストレス時の行動特性の関係を明らかにしていく必要がある。
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Research Products
(2 results)