2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規二核ロジウム(II)錯体を用いた触媒的不斉アミノ化反応の開発
Project/Area Number |
19790001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
穴田 仁洋 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 助教 (90344473)
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Keywords | ロジウム(II)錯体 / イミノヨーディナン / ナイトレン / α-アミノケトン / ベンゾモルファン化合物 / α-フェニルグリシン誘導体 / 不斉触媒反応 / アジリジン |
Research Abstract |
ロジウム(II)錯体触媒を用いた、イミノヨージナンをナイトレン前駆体とする不斉アミノ化反応の開発について検討を行い、本年度は以下の知見を得ることができた。 (1) NsN=IPh(Ns=2-NO_2C_6H_4SO_2)をナイトレン前駆体、Rh_2(S-TFPTTL)_4を触媒に用いたシリルエノールエーテルの不斉アミノ化反応を鍵工程とする切迫早産治療薬(-)-リトドリンの触媒的不斉合成(不斉収率91%)を達成した。また、アルデヒド由来のシリルエノールエーテルの不斉アミノ化において、最高不斉収率91%でα-アミノアルデヒド誘導体が得られることが分かった。 (2) シクロヘキサノン由来のシリルエノールエーテルを基質とした場合、ナイトレンがアリル位C-H結合へ挿入するという前例のない反応が位置およびエナンチオ選択的に進行することが判明した(最高不斉収率72%)。また、本反応を機軸とするヒガンバナアルカロイド(-)-パンクラシンの形式不斉合成を達成した。 (3) イミノヨーディナンpNsN=IPh(pNs=2-NO_2C_6H_4SO_2)をナイトレン前駆体、Rh_2(S-TCPTTL)_4を触媒とするアルケン誘導体の不斉アジリジン化反応を検討し、2,2-ジメチルクロメンを基質とした場合に限定されるが、不斉収率94%でアジリジン誘導体が得られることが分かった。
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