2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 大 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30332943)
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Keywords | カーボンナノチューブ / βアミロイド / ナノ物質 / クロマトグラフィー / 電気泳動 / アルツハイマー病 / 創薬 / 分散 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブは、グラフェンシートを円筒状に巻いた構造を有する化合物を指し、その中で1層のチューブ状の構造を有するものを単層カーボンナノチューブ(SWNTs)と呼ぶ。太さは数n程度であり、長さは100nm〜数mmに達する。SWNTsには、構造(キラル指数、長さなど)が異なった異性体カが多数在していることから、分離機構の解析に適していると共に、この異性体がSWNTsの物性に大きな影響を与えることから、SWNTsを様々な分野で利用するにはそれらの分離精製が必要不可欠である。SWNTsの分離精製には、試料を安定に単分散させる必要があるが、SWNTs自身の大きなファンデルワールス相互作用と溶媒和の困難さのために非常に困難である。そこでまず始めに、SWNTsの水溶液への分散法を検討した。 SWNTsをの分散には、新規のトリフェニレン誘導体(TP)を用いた。同分散剤を溶解した重水溶液にSWNTsを懸濁させ、30分間超音波処理を施した。このTP重水溶液を加える工程と超音波処理工程とを6回繰り返し、さらに得られた溶液に一晩の超音波処理を施すことで、黒色の分散液を得た。さらに1時間の超遠心分離処理(386,000g)を施すことで、SWNTsの単分散溶液を得た。 分散剤はナノチューブと物理的な作用で強固な複合体を形成しているため、分散液を乾固させてもナノチューブの単分散状態が維持されることが明らかとなった。さらに乾固させたナノチューブに水を加えると、再びナノチューブの単分散溶液を容易に調製でき、この時に添加する水の量を変化させることで、単分散するナノチューブの濃度を調整することができた。次にアルキル鎖長を変化させた分散剤を用いて単分散をナノチューブの選択性を比較した。その結果、アルキル鎖長が長い分散剤ほど太いナノチューブを単分散し、短い分散剤は細いナノチューブを単分散する傾向が見られた。
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Research Products
(6 results)