2008 Fiscal Year Annual Research Report
軸索・シナプス前終末におけるオートファジーを介した蛋白分解機構について
Project/Area Number |
19790151
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小池 正人 Juntendo University, 医学部, 准教授 (80347210)
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Keywords | リソソーム / オートファジー / カテプシン / ダブルノックアウトマウス / 軸索 / spheroid |
Research Abstract |
ドイツのグループがカテプシンBLダブルノックアウトマウスと対照群のリソソームフラクションを用いて、iTRAQ法によって変化が認められた蛋白を見いだした(Stahl et al., 2007, BBA)。彼らは対照群と比べてRab14、Neuron specific gene family member 1/Calcyon、Delta/not ch-like EGF-related receptor(DNER)、Carboxypeptidase E、KIAA1414が約10倍以上増加していると報告したが、いずれも小胞輸送に関わることが知られている。これらのうちRab14、DNER、Carboxypeptidase Eに対する良い抗体が得られたので上記3系統のダブルノックアウトマウスにおいてそれぞれその局在を検討したところ、いずれのマウスにおいても、軸索が変性しspheroid様構造を形成している部位に強く認められることが分かった。以上の結果は、リソゾームタンパク分解酵素の欠損を伴う神経細胞においては、軸索における細胞内輸送が共通して傷害されることを示しており、軸索内でオートファゴソームが蓄積する要因は、リソソームの分解が妨げられるだけでなく、細胞体への輸送そのものが阻害されている可能性が示唆された。さらにカテプシンD欠損マウスと、神経系特異的にオートファジーを起こすことが出来ないAtg7F/F ; Nestin-creマウスと間でダブルノックアウトマウスを作製した。このマウスを解析したところ、細胞質におけるLC3陽性顆粒状構造物は認められなかったが、軸索には依然LC3陽性構造物の集積が認められた。現在Rab14、DNER、Carboxypeptidase Eの集積の有無およびその超微形態像を検討している。
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