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2007 Fiscal Year Annual Research Report

消化管癌におけるマイクロRNA発現制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 19790253
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

坂谷 貴司  The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (50431903)

Keywords腫瘍 / 消化器 / エピジェネティクス
Research Abstract

タンパク質をコードしないnon-coding RNA(ncRNA)の一つであるmicroRNA(miRNA)は、現在300以上報告され、1つのmiRNAが複数の遺伝子の発現を制御していると考えられている。miRNAが時空間的に制御され、組織や発生時期に特異的な発現様式を示すことから、DNAメチル化やヒストンのアセチル化などのエピジェネティックな変化による遺伝子発現との間には機能の相同性があり、両者間には作用機序が関与している可能性が考えられる。本研究ではmiRNAにおけるメチル化やヒストンのアセチル化などのエピジェネティックな変化による遺伝子発現調節機構の関与を解明していくことである。
胃癌培養細胞株におけるEpstein-Barr virusの感染の有無による生物学的変化の検討:
胃癌培養細胞株にEBウイルスを感染させ、感染細胞株とoriginalの培養細胞株を用いてmicroRNA arrayを行った。MKN1,MKN7の2種類を用いた検討で、ウイルス感染の有無によって発現動態を同じくするmiRNAを数個同定。さらには、胃癌培養細胞株におけるメチル化の検討を行った。上記の細胞株を用いて、脱メチル化剤である5-aza-dCによる処理を行い、転写因子である遺伝子ファミリーのメチル化の検討をすると、MKN1およびEBウイルス感染細胞では遺伝子のプロモーター領域のメチル化はなかったが、MKN7のEBウイルス感染細胞にはメチル化を認めた。
胃癌発生にはEBウイルスが関与する一群があるとされている。今回の検討ではin vitroの系であるが、EBウイルス感染によるエピジェネティクスな変化、つまりメチル化異常が生じていることを見出し、さらにはmiRNAの発現についても変化が生じることが明らかとなった。
メチル化は可逆的な変化であるために、分子標的薬のターゲットとなりうる可能性がある。また、EBウイルス感染の有無によってmiRNAも変化することは、胃癌発生解明への足がかりとなる新たな知見と言える。

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Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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