2007 Fiscal Year Annual Research Report
リバースジェネティクス技術を用いたエボラウイルスの病原性発現の分子基盤の解明
Project/Area Number |
19790334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老原 秀喜 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任助教 (20447337)
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Keywords | 病原性 / 高病原性病原体 |
Research Abstract |
申請者は、リバースジェネティクス法(人工的にウイルスを作成する技術)等の分子生物学的技術と動物実験を駆使し、ヒトに重篤な出血熱を惹起するエボラウイルス(EBOV)のうち強毒ザイールEBOV(ZEBOV)と近縁のマールブルグウイルス(MARV)、出血熱を惹起しないレストンEBOV (REBOV)の3種類のウイルスタンパク質(GP, VP35, VP24)の病原性に関わる機能(主に免疫御能等)を比較し、EBOVタンパク質の病原性発現における役割に焦点を絞って研究を実施する。本年度(平成19年度)は、上述した病原性発現機序を解析する為のシステムの構築を主に行った。 1.EBOVタンパク質の機能解析系の確立:マクロファージや樹状細胞等(DNAの細胞内への導入が困難)の標的細胞を用いてウイルスタンパク質の病原性に関与する機能を解析する為に、EBOVタンパク質を発現するレンチウイルスベクターと水泡性口内炎ウイルス(VSV)ベクターの構築を行った。現在までにZEBOV、MARV及びREBOVの表面糖タンパク質、ZEBOVのVP24を発現するVSVベクター及びZEBOV表面糖タンパク質を発現するレンチウイルスベクターの構築に成功した。次年度より、これらの系を用いて、EBOVタンパク質の機能解析を遂行する予定である。 2.緑色蛍光タンパク質(eGFP)を発現する組み換えZEBOVの作成:申請者らは、野生型組換えZEBOVにeGFP遺伝子を挿入し、感染細胞をeGFPの蛍光によって検出する系を開発し、動物モデルを用いて、このシステムの評価を行った。その結果、免疫抑制マウスを用いた系においてeGFPの蛍光を検出することにより、感染マウス個体内におけるエボラウイルスの増殖を容易に追跡する事が可能となった。さらに、サルにおいても同様の実験を行った(研究発表、雑誌発表参照)。今後、eGFPを発現する組換えマウス馴化ZEBOVを作製し、ウイルスの毒力とeGFP発現をマウスの感染実験で確認する。
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Research Products
(2 results)