2007 Fiscal Year Annual Research Report
複数搬送手段を含む災害時の傷病者搬送システム評価に関する研究
Project/Area Number |
19790379
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 則満 Aichi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (50293741)
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Keywords | 救急 / 防災 / 交通工学 / 交通事故 / ヘリコプター / 災害医療 |
Research Abstract |
災害医療活動においては、医療スタッフの現場への搬送や傷病者の広域搬送などが不可欠である。そこで本研究では、様々な種類の搬送手段による搬送システムを構築するためのシミュレーションモデルの構築等に努めた。まず、大規模災害を想定した研究として、震災が発生した場合の傷病者の流動を予測するモデル構築し、ケースステディとして愛知県に適用した。どの地域からどの医療圏へ傷病者が集まる可能性が高いか予測し、傷病者搬送に重要な道路網、ヘリコプター搬送する場合の重要なルート等を示すことができた。次に、車両とヘリコプターの結節点となるヘリポートの評価指標の提案を行い、立地条件や状況に応じて使い分ける必要性を指摘した。すなわち、災害用臨時ヘリポートの周辺地区の被害予測、医療機関等が隣接しているか、アクセス道路はあるか、等を勘案して、災害医療活動に重要で早期に開くべきヘリポート、物資輸送に特化してもかまわないヘリポート等を、関係者が簡易に分けられるような手法を提案した。また、災害医療活動に欠かせないドクターヘリコプターの普及が我が国では遅れていることから、全国展開に向けた課題整理等を行った。ロジスティック回帰分析を用いて要因を分析した結果、自治体の財政力指数が大きく影響することが明らかとなり、財政上の支援、合同運行などが必要であることを述べた。以上の通り、災害医療活動を支える搬送システムについて、多角的に評価することが出来た。今後は搬送活動を包括的にみた場合のボトルネックの発見や、対策案と見込まれる効果について評価をすることが課題といえる。
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Research Products
(4 results)