2008 Fiscal Year Annual Research Report
レムナントリポ蛋白コレステロールと頸動脈硬化進展の前向き疫学研究
Project/Area Number |
19790432
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐藤 晃 Kurume University, 医学部, 助教 (80389246)
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Keywords | 社会医学 / 脂質 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
レムナントリポ蛋白コレステロール(RLP-cholesterol)は、動脈硬化性疾患を惹起する脂質として知られているが、RLP-Cに関するエビデンスは乏しく、大規模な疫学研究も少ない。このため一般住民を対象とした検診を行い、大成数にRLP-Cを測定し、メタボリックシンドロームの構成成分であるそれぞれのコンポーネントとの関連およびその重積毎のRLP-Cの値から、どのレベル以上で危険域とするかを検討するとともに、前向き疫学研究を行なうことにより冠動脈疾患や突然死の危険因子となり得るかを検討することを本研究の目的とした。 我々が1999年に福岡田主丸町において行なった住民検診で、1261名分のIMTおよびRLP-Cの測定結果が得られており、その8年後の追跡調査を行った。IMTの変化率(follow up IMT/baseline IMT×100)がどのような身体変量と相関があるか、多変量解析を行った。結果として、年齢、性で補正したbaseline IMTはRLP-Cと正の相関が認あられた(P=0.0121)。しかし年齢、性、baseline IMTで補正したIMT変化率は、RLP-Cと有意な正の相関は認められなかった(P=0.7497)。しかしながら、補正後のIMT変化率は、LDL-C/HDL-C比と有意な正の相関が認められ(P=0.0163)、非常に興味深い結果であった。なお、この結果は我々の研究室より第31回日本高血圧学会総会にて報告を行った。 RLP-Cに関しては、残念ながら有意な関連は認められなかったが、1999年の田主丸町検診の再検診を2000人以上の一般住民を対象として、大規模に行い、検討を重ねでいく予定である。また、平成20年度にも長崎県宇久町で年一回の住民検診を行い、40歳以上の男女226名での測定結果が得ちれており、併せて比較検討を行う予定である。
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