Research Abstract |
我々は,非小細胞肺癌に対する塩酸アムルビシンとシスプラチン併用療法の臨床第I/II相試験にてその有効性と安全性を検討し,薬物動態,及び,血液中DNAマーカーを測定し,臨床効果との比較検討し,副作用の予測因子,及び,治療効果を早期に判断するマーカーを探索する研究を遂行した。現在までに,臨床第I相試験:が終了し,最大耐用量は塩酸アムルビシン35mg/m^2,シスプラチン80mg/m^2,推奨用量は塩酸アムルビシン30mg/m^2,シスプラチン80mg/m^2であった。この推奨用量にて臨床第II相試験を施行中であり,現在までに臨床第I/II相試験を合わせて38例の患者血清の保存を行った。さらに,血漿中薬物濃度として血漿中アムルビシン,その活性体であるアムルビシノール,及びシスプラチンを,抗癌剤投与24時間後,72時間後にサンプルを採取しHPLCにて測定した。その結果,血漿中アムルビシン,アムルビシノールとも24時間後のサンプルに比し,72時間後のサンプル濃度が優位に高かった。臨床効果との比較検討においては,血液毒性として,白血球減少と抗癌剤投与24時間後血漿中アムルビシノール,72時間後アムルビシノール,好中球減少と24時間後血漿中アムルビシン,24時間後アムルビシノール,72時間後アムルビシノールとが強く相関した。貧血とは72時間後アムルビシン,72時間後アムルビシノールと強く相関した。非血液毒性として嘔気、嘔吐と72時間後アムルビシン,72時間後アムルビシノールとが強く相関した。本年は,血漿中のDNA量定量解析,血漿中Free Nucle osomes,血漿中のDNAよりRealTime-PCRにてtopoisomerase Iiα遺伝子を定量し,臨床効果との比較検討をしていく予定である。
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