2008 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞肺癌患者における血中遊離DNAを用いた治療効果予測の検討
Project/Area Number |
19790566
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木村 達郎 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 病院講師 (50382049)
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Keywords | 肺癌 / 呼吸器病学 / アムルビシン / アムルビシノール / 薬物動態 / 薬力学 / 血漿濃度 |
Research Abstract |
化学療法において治療早期に個体の腫瘍薬剤感受性を正確に判定し、最適な治療方針を決定する事は臨床的に重要である。アムルビシン塩酸塩(AMR)は、わが国で開発された抗悪性腫瘍薬で、化学的に全合成された新規のアントラサイクリン系薬剤である。今回我々は、AMR治療を施行された肺癌患者の血液中薬物濃度測定を行い臨床効果と比較検討を行った。AMR3日連続投与(30-40mg/m2, Day 1-3)を施行された35例(非小細胞肺癌 : 23例, 小細胞肺癌 : 10例, その他 : 2例)に対し投与直前、初回投与後24時間(Day 2)、72時間(Day 4)の計3ポイントにおいて採血、血漿保存を行い、アムルビシン(AMR-Day 2, AMR-Day 4)、その活性体であるアムルビシノール(AMR-OH-Day 2, AMR-OH-Day 4)を測定した。その結果、白血球減少、好中球減少、貧血とAMR-OHDay 4がそれぞれ有意に相関した。血小板減少とは、相関の傾向がみられた。好中球減少率とはSigmoid Emax Modelにおいて相関がみられた。シスプラチンとの併用においてはAMRの血液毒性はSigmoid Emax Modelにおいて左方偏移することがわかった。Cut Off値を13.0ng/mlとすると陽性反応的中度、陰性反応的中度は91%と63%であった。以上により、この研究の意義、重要性としては、AMR投与後4日目の薬剤血漿濃度を測定することにより、その血液毒性が予測出来ること、また、その血液毒性の強さは薬剤血漿濃度とSigmoid相関がみられ、カットオフ値を設けることにより、毒性の予測が簡便になったことである。
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Research Products
(4 results)