2007 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息におけるIκBキナーゼβの役割と分子標的治療への展開
Project/Area Number |
19790685
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小川 博久 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50403754)
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Keywords | 気管支喘息 / 気道アレルギー性炎症 / IKKβ / NF-κB / Th2サイトカイン / Th1サイトカイン |
Research Abstract |
本研究は卵白アルブミン(OVA)やダニ抗原による気管支喘息モデルに対し、IKKβ阻害剤、IMD-0354を投与し、気道抵抗とアレルギー炎症におけるIKKβの役割を解明し、その分子制御による治療法開発の可能性について検討する目的で行われている。本年度はIMD-0354投与による気道抵抗値の変化、病理組織中のアレルギー炎症の変化をとらえ、これらのパラメータに対するIKKβの役割を明確にした。 方法として、OVAで感作された喘息モデルに感作後から抗原チャレンジ後までの間、IMD-0354を腹腔投与し、上記アレルギー炎症のパラメータ変化について検討した。 その結果、IMD-0354を投与したマウス群では気道抵抗値の減少、気道周囲、および気管支肺胞洗浄液中への好酸球浸潤の低下、気道杯細胞過形成の抑制がみられた。これらの変化はアレルギー性炎症に関与する炎症性サイトカインの産生抑制が関与していると考えられたため、次に、BALF中や肺homogenate中のTh1, Th2サイトカイン,またeotaxinなどのケモカイン産生量を測定した。IL-5, IL-13などのTh2サイトカイン産生はIMD-0354投与により減少し、eotaxin産生やIgE産生も減少した。一方IL-12やIFN-γなどTh1サイトカイン産生はコントロールマウスと同程度まで回復した。 細胞内に移行したIMD-0354は細胞質内のIKKβを阻害することにより、NF-κBの活性化を阻害し、NF-κBに由来する炎症性サイトカイン産生を抑制し、気管支喘息の気道過敏性亢進や気道アレルギー性炎症を抑制すると考えられた。以上からIKKβ活性化はアレルギー性炎症増悪にも関与し、気管支喘息の発症や増悪に重要な役割を果たしていると考えられ、この成果はIKKβを標的とした気管支喘息の新たな治療戦略を構築する上で重要である。
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Research Products
(1 results)