2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790824
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小林 直人 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (50381372)
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー病 / 病名告知 / アンケート調査 / 告知サポート / ハミルトンうつ病評価尺度 |
Research Abstract |
認知症病名告知に関するアンケートを福島県立医科大学附属病院心身医療科外来を受診した患者に対して実施した。アンケートは1)認知症について知っているか否か、2)自分が認知症と診断された場合に告知を希望するか否か、3)告知を希望すると答えた場合は、A)自分に告知して欲しい、B)家族に告知して欲しい、C)その他、のどれを望むか、4)家族が認知症と診断された場合に告知を希望するか否か、5)その他の意見の内容とした。対象者は改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)20点以下かつミニメンタルステート検査(MMSE)23点以下で、何らかの認知症と診断された患者および家族とした。アンケートにより本人から病名告知の希望があった43名(男性11名,女性32名,平均年齢79.74±5.77)に病名告知を行った。告知を行う前後で患者の精神状態をハミルトンうつ病評価尺度(HRSD)の21項目版にて評価を行った。結果としては、HRSDの点数は告知前後で有意に上昇していた(p<0.001)。年齢、性別、教育歴、HDS-R、MMSE、家族人数、老々介護あり・なし、主介護者が嫁かどうか、主介護者が娘かどうか、主介護者が息子かどうか、など各因子との関連を相関係数を用いて評価した。結果としては、MMSEと告知前のHRSDの間に緩やかな相関が確認されたのみであった(r=-0.346,p<0.05)。またロジスティック回帰分析により、告知後のHRSDの得点に影響を与える因子を評価したが、影響を与える有意な因子は確認できなかつた。告知後の評価時点で患者が病名を告知されたことを忘れている場合が多く、予想よりも精神的動揺が生じないことが本研究で明らかとなった。本研究の制限因子として、サンプル数の少なさ、病態・精神状態によるばらつきを評価できなかつたことなどが挙げられる。
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Research Products
(4 results)