2008 Fiscal Year Annual Research Report
休職に至る就労者を取り巻く環境と就労者の特性について
Project/Area Number |
19790839
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 晃士 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (00291691)
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Keywords | メンタルヘルス / 休職 / 完全主義傾向 / 職場環境 / 自尊感情 / ストレス / 産業精神医学 |
Research Abstract |
精神科外来に通院している休職者の方に施行した質問紙では、F2圏とF3圏の合計73名(男性55名、女性18名)の回答を得ることが出来、一般就労者に同様の質問紙を施行した結果、232名の回答を得ることが出来た。休職者は一般就労者に比べて、完全主義傾向が高く、自分のした行動に対して疑いを持ちやすい、すなわち自分に自信がなく自分のした仕事がうまく出来たかどうかを気にしすぎ疲れてしまっている傾向が見てとれた。また休職者の方が神経症的な傾向が高く、外交的な性格傾向は低いことも明らかとなった。男女で比べてみると、男性より女性の方が神経症傾向が高く、また同調性も女性の方が高い傾向にあり、女性の方が職場内での人間関係に気を遣い疲弊しているのではないかと推察された。さらには女性の休職者は職場内の人間関係において、男性より有意に上司との関係が悪く、このことが職場での不適応の一つの原因になっていることが分かった。 以上の結果は以前からある職場の休職者に関するメンタルヘルス研究にはない視点からの研究であり、休職者自身の完全主義傾向や神経症傾向といった性格傾向が休職に大きく影響していることが分かったことは大きな成果であると思われる。また女性休職者の特有な問題として「上司との関係」は今後もキーワードとして重要なものであると考えられ、女性の就労者をサポートする上では大変意義のある結果であったと思われる。職場において不適応を起こした患者さんを診察する場面は増加の一途にあり、こういった研究は患者さんをサポートするときの焦点を明確にすることができ、我々精神科医の日常診療の中で大いに役立っものと思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] The characteristics of the psychiatric outpatients who absent from the work in Japan2008
Author(s)
K Nakamura, N Kobayashi, Y Ochiai, S Shinagawa, M Sato, K Obuchi, T Nakanishi, K Ono, W Yamadera, K Nukariya, H Sue, H Miyata, T Agata and K Nakayama
Organizer
XIV World Congress of Psychiatry
Place of Presentation
The Prague, Czech Republic
Year and Date
20080900