2007 Fiscal Year Annual Research Report
外部エネルギーとインテリジェント型ナノ粒子を用いた乳癌局所温熱療法
Project/Area Number |
19790928
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大西 達也 Keio University, 医学部, 助教 (70445211)
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Keywords | 乳癌 / 鉄磁性体 / 温熱療法 / 外部エネルギー |
Research Abstract |
実験には表面に高分子構造を有し、加熱して一定温度に達すると凝集する一方、冷却により分散状態に戻すことができる性質を持ち、生物学的、化学的安定性にたける鉄磁性体を用いた。またこの磁性体は粒子表面固定化ビオチンにより、種々の分子を認識するセンサーを結合することが可能である。 平成19年度はこの鉄磁性体のみならず、さまざまな鉄磁性体の外部エネルギーによる発熱を確認した。鉄粒子の濃度、粒子径、交流磁場の周波数、強度により温度調節が可能であることが確認できた。一般に鉄の濃度が高く、磁場強度が大きいほど高熱を確認できた。上昇温度は数度から100度以上を確認した。これは腫瘍細胞を焼灼するのに十分の熱鼠てあると考えている。さらには交流磁場強度を調節することで正常組織に影響をほとんど及ぼすことなく、腫瘍細胞のみを焼灼出来る可能性を秘める。 また鉄磁性体の分子標的機能について実験した。前述のように本実験で使用した鉄磁性体は表面に分子標的機能を付着させることが出来る。鉄磁性体に腫瘍特異抗原抗体を付着させた実験では、in vitroにおいて腫瘍細胞への特異的集積を確認した。続いてヌードマウスに生着させた腫瘍を用いたin vivo の実験では腫瘍への集積を確認することが出来なかった。
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