2008 Fiscal Year Annual Research Report
外部エネルギーとインテリジェント型ナノ粒子を用いた乳癌局所温熱療法
Project/Area Number |
19790928
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大西 達也 Keio University, 医学部, 助教 (70445211)
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 温熱療法 / 乳癌 |
Research Abstract |
平成20年度はヌードマウスに生着させた腫瘍にさまざまな粒子径の鉄粒子を注入し、ヌードマウスを交流磁場に励磁させることで、in vivoでの抗腫瘍効果を検討した。ナノサイズの鉄粒子を埋め込んだ腫瘍は交流磁場下で縮小効果を認めなかったが、マイクロサイズ以上の鉄粒子を埋め込んだ腫瘍は、鉄粒子を埋め込まなかった腫瘍と比して交流磁場下で有意に縮小した。 これは生体内の腫瘍に対し、経皮的に鉄粒子を集積させることが出来、また血流が存在し、熱が拡散する生体内においても、鉄磁性体と外部エネルギーにより得られる熱が抗腫瘍効果を獲得するに十分な発熱であることを確認した2点において極めて重要な実験である。 ナノ粒子で、抗腫瘍効果を得るに十分な発熱が確認できなかったわけだが、ナノ粒子では腫瘍に注入後周辺組織に拡散するため、発熱を得るのに十分な鉄濃度が得られないことが主な原因であると考えている。しかし、本研究で使用している鉄磁性体は粒子表面固定化ビオチンによりさまざまな分子を付加することが出来るため、腫瘍特異的抗体を付加することで、今後高濃度で腫瘍に集積させることが可能であると考えている。 また、励磁する交流磁場の強度を調節することで発熱量は自由に調整できることが既に証明されているため、正常組織への障害は最低限に抑え、腫瘍特異的に組織障害を獲得することが出来ると考えている。 最終的には腫瘍特異的に鉄磁性体を集積させることで、半永久的に外部エネルギーによる低侵襲が実現できると考えている。
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Research Products
(1 results)