2007 Fiscal Year Annual Research Report
血行力学的ストレスの観点からの脳動脈瘤の病態生理の解明
Project/Area Number |
19791010
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
庄島 正明 Jichi Medical University, 医学部, 助教 (80376425)
|
Keywords | 脳神経外科 / 脳血管内外科学 / 医用工学 |
Research Abstract |
脳動脈瘤に作用する血行力学的ストレスが、脳動脈瘤の成長・破裂に至る過程にどのように関与するかを明らかにするために研究を行った。本年度は以下のような成果を得た。 ・未破裂脳動脈瘤を外来で経過観察している過程で、破裂に至った症例1例と、増大した症例2例の動脈瘤画像データを採取した。 ・経過観察中に破裂にいたった脳動脈瘤症例1例に関して、血流解析を行った。破裂部位における壁面せん断応力が低いことを確認した。この結果は、私が従来から提唱している仮説「低壁面せん断応力が動脈瘤壁に退行変性をともなうリモデリングを惹起して動脈瘤が破裂・増大する」を支持するものであった。研究結果は第23回日本脳神経血管内治療学会総会にて発表した。また、論文発表を英文で行うべく準備をおこなった。現在、投稿を行って査読を受けている最中である。 ・未破裂動脈瘤が経過観察中に増大・破裂に至る症例は少なくないが、血流解析に耐えうるレベルの高画質の三次元画像が得られる症例はほとんどない。解析症例を増やすべく、三次元画像再構築ソフト(Zedview)を導入して、その使用方法に関してトレーニングをおこなった。 ・増大した動脈瘤症例2例に関しては血流解析を行うための前準備を行った。
|