2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 功一 Kyushu University, 大学病院, 特任助教 (50420609)
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Keywords | 再生医学 / 移植・再生医療 / 外科 / 細胞・組織 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
我々は細胞だけで立体構造体を作成し、損傷した組織に直接移植を可能とするセルデリバリーシステムを開発した。あわせて、任意の形状・曲面をもった生体材料の表面に厚みをもった細胞層をコーティングする技術も開発しており、今回、骨に穏やかに吸収・置換されるトリ燐酸系の素材と組み合わせることにより、すべて自分自身の組織に置き換わる細胞ベースの人工関節の開発を行うことを目的として、本研究をおこなった。本年度は、トリ燐酸カルシウム(α-TCP)の微細構造を変えることによる細胞接着性の影響と、移植時におけるハンドリングの容易さを検討した。 α-TCP焼結時に、消失するマイクロパウダー(粒径200マイクロ、および500マイクロ)を混合することにより、内部にそれぞれのパウダーの粒径に応じた微細孔が形成された。この得られたTCPを円柱状に加工、整形し、細胞層をコーティングした。約一週間培養し、樹脂包埋をおこない、研磨標本を作製した。トルイジンブルー染色をおこない顕微鏡で観察した。双方とも厚さ約5ミリの細胞層が形成されており、内部に壊死などを示唆する空洞などは認められず、トルイジンブルーには染色されない、細胞外マトリックスの乏しい細胞構造体であることが判明した。200マイクロと500マイクロのTCPそれぞれと、細胞層のインターフェースを詳細に観察すると、双方ともしっかりしたIntegrationが得られているのがわかった、特に500マイクロ孔を有するTCPはインターフェース面に露出した微細孔に細胞がしっかり進入しており、細胞層とTCPがしっかり結合していることが判明した。今後TCPを曲面をもつよう加工し細胞層をコートすることを試みる。
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