2007 Fiscal Year Annual Research Report
内耳における遺伝子発現パターンと聴力像に関する研究
Project/Area Number |
19791202
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 伸嘉 Shinshu University, 医学部附属病院, 助教 (20377641)
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Keywords | 高音障害型感音難聴 / 老人性難聴 / 遺伝子発現パターン / SAM / レーザーマイクロダイセクション |
Research Abstract |
聴力像に特徴のある難聴において遺伝子の発現パターンと聴力像がどのように関連性があるかについて研究を進めている。今年度は高音障害型の難聴を呈す老人性難聴のモデルマウスであるSAM(Scenescens Accelerated Mouse)を用いて高音障害型の感音難聴に高発現する遺伝子について検討した。 マウスを麻酔下におき,マウスを断頭して内耳を摘出した後,内耳全体からmRNAを抽出した。抽出されたmRNAを用いてマイクロアレイによる解析を行い,SAMの内耳に高発現している遺伝子を同定した。マイクロアレイの結果では週齢を重ねたSAMマウスではいくつかの遺伝子が発現上昇する所見を得ることができた。SAMマウスは高音障害型の感音難聴を示すため,これらの遺伝子は高音障害型の難聴に関係している可能性があると考えた。 現在マイクロアレイで得られた結果をReal-Time PCRをもちいて正確に検証している。 また,これらの遺伝子が高音を感受する内耳の基底回転に多く発現している遺伝子であるかどうかを検証するために,レーザーマイクロダイセクションを使用して実験を行っている。マウスに対して4%パラボルムアルデヒドによる経鼓膜及び経心灌流固定を行って側頭膏を固定する。内耳を摘出した後,OCTコンパウンドで包埋して凍結切片を作成する。作成した切片をレーザーによって内耳の回転ごと,部位ごとに切り出しmRNAを抽出している。レーザーによって切り出されたサンプルは大変微量なために,抽出できるmRNAは極短時間に分解されてしまい高度な技術を必要とされる。この手技が確立できれば難聴の解明に大きな貢献をすることができる。
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