2007 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロポレーションを用いた、声帯萎縮・瘢痕に対する遺伝子治療
Project/Area Number |
19791232
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
稲垣 康治 Keio University, 医学部, 助教 (70348738)
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Keywords | 遺伝子 / 再生医学 / 移植・再生医療 / 細胞・組織 / 神経科学 |
Research Abstract |
1 声帯萎縮モデルにおけるエレクトロポレーションによる遺伝子導入効果の検討。 まず、コントロールとして蛍光タンパクであるEGFP(enhanced green fluorescent protein)をコードする遺伝子と、神経栄養因子であるHGF遺伝子を、声帯萎縮モデルラットの喉頭筋にそれぞれ注射のみ及びエレクトロポレーションにて導入した。1週後、4週後に喉頭筋の体積を評価したが、両者に有意差を認めなかった。導入する治療遺伝子として、HGF以外も検討すべきと考え、以下の実験を行った。 2 骨格筋細胞に対するIGF等の刺激による影響の確認(in vitro)。 実際に、マウスおよびラット骨格筋細胞に対する血清、IGF等による影響を確認するため、in vitroでの細胞培養系を用いて以下の実験を行った。 マウス骨格筋細胞C2C12、ラット骨格筋細胞L6を血清除去後、血清、IGF等により刺激した。刺激後、光顕上にて筋管形成、細胞免疫染色、Western blotting にて分化指標となるMyHC(myosin heavy chain)およびmyogeninを検出したところ、経時的に刺激依存的に分化を確認した。 3 上記、骨格筋細胞の分化における遺伝子発現の確認。 IGF刺激により上記細胞が実際に分化する過程を確認したが、ここにおいて、同時にそのリン酸化シグナルをWestern blottingにて検出した。そこで、その経路に関与する遺伝子発現をTaq Man probeを用いた定量PCR(ABI)によって確認した。その詳細がわかれば、新たな遺伝子治療の候補となり得ると考える。
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