2008 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオテンシンIIと急性肺障害:AT1受容体阻害による肺保護作用
Project/Area Number |
19791336
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
野口 裕記 Aichi Medical University, 医学部, 講師 (30329809)
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Keywords | アンギオテンシン / 急性肺障害 / ACE阻害薬 / レニン |
Research Abstract |
ICUに入室した患者における血中アンギオテンシンII濃度、各種サイトカイン濃度およびアンギオテンシン変換酵素(ACE)の遺伝子多型を測定している。血中アンギオテンシンII濃度は高感度radioimmunoassayにて、ACE遺伝子多型はPCR法を用いることによりintron 16におけるinsertion/deletionを測定している。ACEは血中アンギオテンシンIIの律速酵素であるため、遺伝子多型によって、アンギオテンシンを合成しやすい人、しにくい人に分けられ、ひいては肺障害を起こしやすい人、起こしにくい人に分けることができる可能性もある。現在のところ十分な症例数に達していないため血中アンギオテンシンII濃度と肺障害の関連は明確になっていない。今後症例を増やして肺障害におけるレニンアンギオテンシン系(RAS)の意味合いに関する検討を引き続き進めていく予定である。現在約30人の遺伝子解析を終了している。さらに今後は、動物でARDSモデルを作製しRAS活性化と肺障害の関連も検討する予定である。特にARDSモデルにおける、A)肺内angiotensin II、ACE活性の動態、B)RAS活性化と肺への好中球および単球リクルートメントとの関連、等の検討を行う予定にしている。
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